IR情報

ごあいさつ

 株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 当第23期における当社の売上高は、半導体市場低調の中で前年並みの売上を確保し、前年比0.1%増となる20億62百万円、営業利益は人材への投資による固定費の増加等により前年比14.9%減の2億56百万円となりました。

 当事業年度における主な当社の活動といたしましては、主力製品:SX-MeisterのVer.18.0をリリース、アナログLSI設計の自動化に向けた機能拡張と、パワー半導体設計向けツールの機能強化を実現しました。7月には、かねてより取り組みを進めてまい
りましたTSMC Open Innovation Platform® EDA Allianceへの加入が実現、秋に開催された「OIP Ecosystem Forum」にも出展し、当社技術を広くご紹介いたしました。また仏XYALIS社、同じく仏POLLEN社と国内販売代理店契約を新たに締結し、両社の競争力のある製品の販売が可能になりました。

 当社の主要顧客である電子デバイス業界の状況は、半導体関連においてはAI関連デバイスへ高い期待が寄せられており、スマートフォン・パソコン等向けの半導体デバイスの需要は低調な一方で、パワー半導体のEV化は減速、再エネ・民生品等の需要は好調に推移しております。対して、FPD(Flat Panel Display etc.)関連におきましては、製品のコモディティ化によって設計ツール需要が縮小する傾向が加速しております。また、米国トランプ政権の関税政策による景気後退感の高まりや、依然として継続する中国市場の低迷等の地政学的な懸念材料により、先行きに対する不透明感は依然として強いものがあります。

 そのような中で当社は、引き続きコア製品の競争力・販売力を強化すべく、アナログLSI設計自動化環境(ACC)の拡張、パワーデバイス向け設計効率化機能の拡張、AIを用いたアナログ合成ツールの製品化、といった重点テーマに向けた開発を継続してまいります。研究開発活動におきましては、デバイス設計部門との連携強化により設計者目線の製品づくりを進め、平行して外部技術の導入・活用を促進いたします。また、販売促進活動におきましては、新規リリース製品の販促、情報発信活動の促進に加え、大学、高専、企業との連携を強化してまいります。

 売上拡大に向けた施策としては、海外の半導体市場に対して、大規模フォトマスクデータブラウザ「HOTSCOPE」の販促強化に加え、「プラットフォーム戦略」の推進を図ってまいります。また、カスタムソフトウェアビジネスの拡張にあたっては、デバ
イス製造装置メーカーとの連携を深めるとともに、半導体後工程分野への進出を検討しております。さらに、デバイス設計受託サービスの拡大に向けては、受託可能な設計量の増強に加え、国内外における新規顧客の開拓・拡充、そしてSX-Meisterを活用した設計・コンサル型の提案を実現してまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 

2025年6月