■ キーパーソンが語る当社戦略製品のコンセプト 〜高速・高精度回路シミュレータ「Cforce」の可能性〜
2013.10.25 
 
キーパーソンが語る当社戦略製品のコンセプト
〜 高速・高精度回路シミュレータ 『Cforce』 の可能性 〜
 
   2013年1月、ジーダットはアナログ等のカスタムLSI設計向けの高速・高精度回路シミュレータCforce(シーフォース)の販売を開始いたしました。
   回路シミュレータは、回路を設計する段階でその回路が目的通りに動くかどうかの確認をするためのツールで、約40年前に生まれた『最初のEDA(Electronic Design Automation)』と言われる技術です。その歴史が表す通り、現在の多種多様なEDAツールのベースエンジンとなるツールであり、満を持して販売を開始した当社の回路シミュレータの特長とその可能性について、当社EDA開発部次長 三浦一広に聞きました。


Key Person
EDA開発部
次長
三浦 一広
三浦近影
 
   なぜ、今、回路シミュレータなのか?
     ジーダットが唯一、自社開発製品として持っていなかったのが回路シミュレータでした。回路シミュレータは基本的かつ必要不可欠な製品であるため、既に大手を含めた多くのEDAベンダーが開発販売しており、後発のジーダットが製品化しても、差別化を図ることが中々難しかったためです。しかし、回路がどう動くかをシミュレートする、というのは、あらゆる回路設計分野で必ず発生する作業であり、ジーダットが回路シミュレータを自社開発しない限り、お客様には常に他社シミュレータを提案せざるを得ませんでした。EDAベンダーとして、お客様に全ての設計作業を自社ツールで行える環境をご提供すること、自社で回路シミュレータを持つことは非常に大きな意義があり、この度のCforce開発に至りました。

   Cforceの特長は「スピード」
     回路シミュレータ自体は古くからある技術ですが、そこで重要になってくるのがその「速さ」です。ジーダットの回路シミュレータ「Cforce」は、シミュレーション結果の正確さは当然のこと、そのスピードにとことんこだわっています。設計する回路のサイズや種類にもよりますが、高品質、高信頼性を追求する回路を設計するときに行うシミュレーションの回数は、数万回に及びます。限られた時間の中で回路設計を行う設計者にとって、1度のシミュレーション時間が1秒短くなれば、全体で数万秒の時間短縮を図ることができ、それが納期の短縮や品質の向上に直結するわけですから、スピードには思い入れを持ってこだわり続けたいです。
   また、お客様にとってのもう1つの利点は、ご要望にタイムリーにお応えできるという点です。現在、回路設計ツールを提供しているEDAベンダーの多くは海外の企業ですので、特に日本のお客様にとっては、ツールに対する要望が中々通らないケースが多々あります。ジーダットはワールドワイドを目指しながらも、日本のお客様の設計作業をスムーズに進める、良きパートナーでありたいと思っております。


   Cforceの売上効果は?
     Cforceは、1月の販売開始から既に多くのライセンスを発行しており、今後もツール単体としての売上を大きく見込んでおります。が、ジーダットにとって、Cforceが完成したことで、自社開発製品だけで設計ツール群が完結したことの意味も非常に大きいものがあります。α-SXという自社製品群を、本当の意味でのトータルソリューションとしてお客様にご紹介できるということは、単に1製品が加わっただけではない相乗効果を生んでいます。
   さらに、自社で回路シミュレータを開発した大きな理由は、様々な自社解析ツールへの応用です。例えば、当社のFineVolt (フラットパネル用パワーデバイス・アナログLSI 高速・高精度電源解析ツール) の中でシミュレーションエンジンを動かすことによって、電源、電圧効果の解析へ応用できますし、C3 (新世代・統合回路設計システム) やIsmo (LSIレイアウト設計システム) といった対話型の設計システムにおいても、Cforceと同時に用いることで、解析結果をリアルタイムで表示させることが可能になります。自社製品ですので、同時に数百本の回路シミュレータを動作させることも可能になります。このように、回路シミュレーション技術を保有したことで、その応用手法の可能性は無限大に広がります。


   Cforceの今後の展開は?
     まず、DAC*2013で発表した戦略的新製品にCforceを組み込んだ展開を行います。それと同時に、回路シミュレーション技術を保有していないEDAベンダーに対して、シミュレータをOEM供給することを考えています。特にシミュレータを多用する回路最適化ツールを手がけるEDAベンダーは、米国を初めとして全世界中に多数存在していますので、海外展開への大きな足がかりにもなってきます。
   加えて、テスト分野への展開も検討しております。これは、設計したICのチェックのために、製品全体のテスト回路を擬似的に作ってチェックするという手法です。実機上でのテストを行う前にテストができる、というのは非常に重要であり、特にニーズが高まっています。


* EDA業界最大の展示会「Design Automation Conference」
   このように、回路シミュレーション技術はコア技術ですので、既存の自社ツールとの組み合わせにおいても、半導体、液晶以外の他分野の設計においても、これをいかようにでも展開することが可能です。ジーダットのCforceがもたらす相乗効果と無限の可能性に、どうぞ御期待ください。

◆ 高速・高精度回路シミュレータ Cforce (シーフォース) の製品情報は >> こちら

*この文章は、当社第11期の株主通信に特集として掲載した記事を一部編集したものです